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ウソ!母乳は虫歯になる?

2019/03/19

たらい回しにされて、来院された可哀想な⺟と⼦がいた。2歳4ヶ⽉という年齢であるが、前⻭にも奥⻭にも重度な⾍⻭が多数あり、どの⻭科医院でも「⺟乳を与えているのが原因」と⾔われ、わらをもすがる気持ちで当クリニックに来院された。
以前から⻭科の疫学的調査では、⺟乳を⻑期間与えていた⼦どもには⾍⻭が多かったという報告があった。
だから、その知識から最近のエビデンスを輸⼊していない⻭科医師は、「⺟乳が⾍⻭の原因である!!」と未だに主張し続ける。
しかし、⺟乳それ⾃体が⾍⻭を引き起こすリスクはそんなに⾼くはないというエビデンスが常識となっている今、もう少し、勉強して頂きたいという気持ちがある。私が常々考えるに、⺟乳を⻑く与える⺟親の多くは、寝かせぎわの容易さを求めて⽌められないことが多い。
ただ、こういった傾向を⽰す⺟親は、⼦どもに対して許容的である。泣き出したり、ぐずったりすると「NO !!」と⾔えないのである。その上、⻭には悪いとはうすうす感じていても、いや、はっきりわかっていたとしても、甘いお菓⼦や飲み物に対するうるさいくらいの要求にも耐えることができない。
⺟乳を⽌めさせることが⾍⻭予防と教えられた⺟親は、⺟乳を与えないで⼦どもが眠くなるようにと就寝時間を引き延ばす。⾃然に眠くなってくれないかと願う。しかし、⼦どもは寝ない。
仕⽅なくなく⺟乳を与えて寝かしつけるが、⼦どもが寝付く時間は遅くなる。
⺟乳は⾍⻭へのリスクが低く、砂糖摂取だけに注意すれば、驚くほど⻑く与えていなければ、⼤きな問題はない。
それよりも⼦どもにとって⼀番⼤切なことは、⽣活リズムの形成である。⺟乳を与えても8時で寝てくれるのならしばらくなら続けてもかまわないと思う。
また、食事と食事の間に砂糖を含む飲み物食べ物を与えることは、折角空腹になった状態をそうでなくならせてしまう。食べる事を覚える時期に食べることを覚えない状態で食事を向かえてしまうことになる。
まずは、⽣活リズムを整えるために、就寝時の⺟乳を許してやって、それよりも厳重な砂糖摂取のコントロールを⾏ってもらうことが最優先課題であると考える。
それができて⼦どもが⽣活の軌道に乗れば、だんだん⺟乳がなくても寝られるであろうし、⺟親のあせりもなくなり⺟⼦関係も良好になるはずである。
⻭科医師のちょとした知識不⾜と指導能⼒不⾜で⺟親を育児ノイローゼに陥らせてしまうことがあるので、我々は十分注意せねばならないと実感した。